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You は何しにチェンマイへ? - チェンマイにムエタイ修行に来るべき理由

  • 執筆者の写真: Danny
    Danny
  • 2024年5月17日
  • 読了時間: 5分

更新日:5月10日


チェンマイでムエタイ修行

なぜタイにまで来てトレーニングをするのか?

タイのムエタイジムにトレーニングに来る理由はなんでしょう?今回はこのテーマを深掘りしてみたいと思います。一般向けというより、少し選手寄りの話になるかもしれませんが、ご容赦ください。


日本のキックボクシングの違和感?

かつて一世を風靡したK-1の時代から、今もなお日本で人気の「キックボクシング」。しかし、YouTubeに溢れる日本の試合を観ていて違和感を感じるのは私だけでしょうか?

日本の試合のほとんどはボクシングとローキックで組み立てられています。ミドルキックを試合中に数本しか出さない選手も珍しくありません。ましてや、タイ人選手のように自在に足技を使う選手はごくわずかです。一方で、現在立ち技格闘技の最高峰とされる ONE Championship では、上位選手にタイ人が多いせいか、パンチに比べてキックの比率が圧倒的に高くなっています。もちろんパンチはポイントにならないというムエタイのルールがベースにあることは理解しています。

では、日本で行われているのは本当の意味で「キックボクシング」と言えるのかなぁ。。。と思うこともしばしば。むしろ「ボクシングキック」と呼ぶ方が実態に合っているかもしれません。


なぜ日本人選手はローキックばかり蹴るのか?

過去、多くの日本人ファイターがタイ人選手の強烈なキックに苦戦してきました。

📺 過去の試合映像

  • サムゴー vs 金沢

  • サムゴー vs 小林

  • ブアカーオ vs 魔裟斗

  • タケル vs スーパーレック

歴史を振り返れば、日本人選手がタイ人のキックに対抗するためにその技術を学ぶのが自然な流れのはずです。しかし、いまだに日本でタイ人のようなキックを蹴れる選手はほぼいません。(吉成名高選手くらいでしょうか?)

ザ・キャンプ ムエタイアカデミーにも、世界中から多くの選手がトレーニングキャンプにやってきます。彼らを見ていて興味深いのは、タイ人は例外なくすべて「ムエタイのキック」、ヨーロッパの選手は「オランダ式キックボクシングのキック」、そして日本人は「日本独自のキック」 を蹴るということ。


日本人選手のキックの特徴として、空手ベースの影響が強く見られます。空手の型や摺り足、姿勢がキックのフォームに色濃く残っているため、日本のミドルキック(Round House)は空手の「中段回し蹴り」に近い形になっています。これは、膝下を素早く走らせるスタイルで、スピードと精度を重視したものです。

一方で、ムエタイのキックは 「足全体を一つの塊として、遠心力でぶつけるパワー重視の蹴り」 という特徴を持っています。イメージとしては、プロレスのラリアットに近く、腕全体を相手にぶつけるような動作に似ています。

タイ人選手の間では、日本人のキックは「イプンの縦蹴り」と揶揄され、小馬鹿にされることがあります。ムエタイの蹴りと比較すると破壊力が小さく、彼ら曰く「痛くない」「ぜんぜん効かない」「容易にカット(ブロック)できる」などなど。

しかし、これは 空手の蹴りが劣っているという話ではありません。むしろ、異なる考え方の技術なのです。


空手とムエタイ、両方の強みを活かす選手が最強?

空手のキックは、スピードと精度(Accuracy)を重視し、膝下を素早く走らせて正確に狙ったところに当てるスタイル。ムエタイのキックは、体全体を使って遠心力を最大限に活用し、重い一撃を叩き込むスタイル。

これは ゴルフのスイングの違い にも例えられます。

  • 空手のキック は、インパクトでクラブフェースをコントロールする「伝統的な上回りスイング」

  • ムエタイのキック は、体幹主導でクラブのフェースコントロールをしない「下回りスイング」(USPGAで主流のスイング)

どちらが優れているという話ではなく、状況に応じて使い分けられる選手こそが最も実践的だと思うのです。

例えば、ムエタイの強烈なキックを持ちつつ、空手のように素早い蹴りを織り交ぜることができれば、より多彩な攻撃が可能になります。実際、ONE Championshipで活躍する Superbon選手やTawanchai選手は、ムエタイの重いキックに加え、空手的なスピードとタイミングを兼ね備えた蹴りを持っています。


ONE Championshipで日本人が苦戦する理由

現在、立技格闘技の最高峰と言われるONE Championship。ファイトマネーも世界最高レベルであり、世界中のキックボクサーが憧れる舞台です。

しかし、このONE Championshipで活躍する日本人選手はごくわずか。その試合内容を見ると、日本人の多くはパンチとローキックに頼りがちで、多彩な蹴り技を持つタイ人選手たちに苦戦しています。

例えば、Takeru vs Superlek の試合を思い出してください。日本人のローキックは、タイ人選手の前ではほとんど効果を発揮できませんでした。一方で、Tawanchai選手やRodtang選手のように、足技を自在に使いこなすタイ人選手が上位に君臨しています。

つまり、世界で戦うためには、ムエタイのキックを習得することが最も近道なのです。


日本のボクシング+ムエタイのキック=世界最強?

日本は、井上尚弥選手を筆頭に、世界トップレベルのボクシング大国です。ボクシングスキルはタイ人選手よりも総じて日本人選手が優れています。

であれば、日本人選手がムエタイの強烈なキックも同時に習得すれば、世界のトップ選手と肩を並べる日も遠くないのではないでしょうか?


そろそろ「Youは何しにチェンマイへ?」の答えは見えてきましたね。 チェンマイにムエタイ修行に来るべき理由は、ムエタイの本質を本場で体感できるからです。

ムエタイの本場で、最高峰のキック技術を学び、空手とムエタイの強みを融合させた最強の立ち技ファイターを目指しませんか?

あなたの「イプンの縦蹴り」を、破壊力抜群のムエタイキックへ進化させるドリルをたくさん用意して、お待ちしています。





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