コロナウィルスとチェンマイ(3)

皆さんもご存知かと思いますが、本日3/24現在、タイ政府の通達によりタイ国内の全てのムエタイジムが閉鎖され、ザ・キャンプムエタイアカデミーもこれに倣い、現在、全ての営業を停止しています。


トレーナー・スタッフには自宅待機を勧めていますが、彼らのほぼ全員が社員寮に留まっています。


彼らの多くは山間部の小さな村の出身です。聞くところでは村長がこのタイミングで街から村へ戻ってくる人を良しとしないらしいのです。村長の意見はすなわち村民の意見。「お願いだから今は戻ってこないで」という村民の強い意見が反映されているようです。


もとより村には高齢者が多いという問題があります。

村人たちは小さな小屋に皆、肩を寄せ合うように暮らしていますがその多くが大家族です。祖父母や場合によっては曾祖父母まで同じ場所に住んでいるケースは少なくありません。

ほとんどの村が陸路でチェンマイから8~10時間くらい離れていますので、病気になっても病院への搬送は容易ではありません。

わずか数世帯の集落で、誰か一人感染者が出れば、それは村全体が感染してしまうということであり、最悪のケースでは村がまるまるひとつ消滅してしまうことを意味します。 そもそも検査費用すら払えない村民たちにとっては感染(疑惑も含めて)はほぼ死刑宣告に近いのです。


純粋に自分の家族を守りたい。自分の故郷を守りたい。

そんな一心でトレーナーたちは己を捨てて自発的に自らを隔離しています。


先日何かの記事で「イタリアの感染の急拡大は個人主義の拡大解釈によるもの」という話が出ていました。 特にイタリアの若者たちは当初、政府の指示を守らず「自分たちは感染しない、感染しても重篤化しない」という慢心から自由に外を出歩き、パーティに興じ、挙句ウイルスを家に持ち込んで、老人たちを死に追いやるという極めて馬鹿げたことをやってしまいました。 イタリアだけでなくドイツでもフランスでもスペインでも同様のことがおきていて、気がついたらあっという間にパンデミックになっていました。


「自分さえ良ければいい」というなんとも身勝手な自由主義であり、「自由」の捉え方を完全に間違っていると彼らを批判していましたが、なんと日本でも先日、k1が行政の反対を押し切る形で強行開催されたとの報道を目にし、驚愕しました。


タイのルンピニースタジアムにおいて集団感染がおき、これをきっかけにタイで急速に感染が拡大したというニュースは世界を駆け巡りましたが、その矢先にこのK1の開催報道。

K1は世界に向けて恥を晒したと断言できます。


当日、会場には「格闘技のパワー」「気合」「押忍」とか意味不明な精神論が溢れていたと聞きます。また最近では巷で「コロナ疲れ」という言葉や「ストレス発散でゴルフ!」「みんなで焼肉パーティ」「空いてるうちに国内旅行楽しむ」のようなSNS投稿も増えているそうです。


なんという平和ボケ。

世界中が日本の平和ボケを心配しています。

海外に住んでいるとこの温度差が半端ないのです。


この正念場にクラスターの発生をなんとしてでも抑えようと、連日涙ぐましい努力をしている医療関係者や政府関係者がいる一方で、ほんの少しの不自由も我慢できない日本人がこれだけいることを、同じ日本人として非常に恥ずかしく思います。


タイは国民の所得水準も医療水準も教育水準も全てにおいて日本の後塵を拝しています。ただ先ほどのトレーナーたちの自粛を見ていても分かる通り、自分たちが共同体の一部であり、個人の自由よりも故郷、家族の健康、共同体の利益を最優先すべきであるという点においては、むしろ彼らは日本人よりも遥かにまともなのではないかとすら思ってしまいます。


もちろん政府による強制力(要請ではない)があるかないかは大きな要因なのですが、世界第3位の経済力を持ち、いまだに自分たちは他のASEAN諸国より民度は高く、アジアにおける上級市民であるかのようなつもりでいる我々日本人も、この国難にあって自らを律することすらできないのか、と思うとなんとも虚しく悲しい気持ちになります。

やはり日本も強制力のある非常事態宣言のようなものが必要であると思います。


人類はコロナウイルスとの全面戦争に突入しています。

生まれた国や暮らしている国の経済力、社会制度、文化の違いなど関係なく、コロナウイルスは私たちホモ・サピエンス共通の敵であり、この地球上の全ての人が命の危機に晒されていることを今一度しっかりと認識する必要があります。


経済学では人はこの世の中に存在しているだけで価値があると考えます。 その人が生きているだけで生活に関連する様々な経済活動を引き起こし、結果として経済が回っているという考え方です。一方で今回のコロナウイルス=感染症は、自分が存在しているだけで他人の脅威になるかもしれないという側面も持っていることも知っておかなければなりません。


前回も書きましたが、人が集まるリスク、つるむリスク、都市に住むリスク、自分の頭で考えずにただ集団についていくリスク、改めてそういうリスクがあることを認識すべき時だと思います。


私たちは、長らく社会的地位、名声、貯金額、美貌、高級車、美食、リア充、SNSでのいいねの数などなど、こんなどうでもいいことで自分の価値を測ってきました。

でも今、すべての人が自らの命の危険を前にして、自分の人生にとって本当に大事なものとそうでないものをより明確に区別するようになってくると思います。 存在価値のない企業は消え、どうでもいいモノやサービスは淘汰され、本当に必要なものだけが生き残るはずです。

ザ・キャンプもこの先しばらく営業停止が続くと思われます。

いくら憂いても時だけは正確に刻まれ、時間は確実に過ぎてゆきます。

終わりのない災は存在しません。いつか必ず終わりがきます。


その時に世界最高のムエタイキャンプを提供できるように、頭がちぎれるほどあれこれ考えてみたいと思います。幸い今は毎日時間がたっぷりあるので^^


また皆さんの健康な笑顔がザ・キャンプで見られることを心より楽しみにしております。

皆様のご健康を心より祈念いたします。

ザ・キャンプムエタイアカデミー

Danny




The Camp Muay Thai Resort and Academy

417 Moo 12 NongKwai Hangdong, Chiang Mai Province, Thailand 50230

Tel: +66-06-4558-4560 

 日本語対応可

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